WebARコンテンツを制作する際、見落とされがちなのが著作権と利用規約の確認です。「無料でダウンロードできた3Dモデルを商用WebARに使ったら著作権侵害だった」というトラブルは珍しくありません。本記事では、WebAR制作で扱うあらゆる素材の権利処理を、担当者が自力でチェックできるよう体系的に解説します。

WebAR制作で扱う権利の種類

WebARコンテンツは複数の素材を組み合わせて制作するため、それぞれの権利を個別に確認する必要があります。

  • 3Dモデル著作権: モデルの形状・テクスチャは造形物として著作権が発生
  • 音楽・BGMの著作権: 楽曲の著作権(作曲者)と著作隣接権(レコード会社・演奏家)の双方を確認
  • 画像・テクスチャの著作権: 写真・イラストはそのままテクスチャとして使用する場合も著作権対象
  • フォント著作権: AR内テキストに使用するフォントにも著作権(デザイン)がある場合あり
  • ツール・プラットフォームの利用規約: 商用利用可否・クレジット表示義務・コンテンツ所有権の帰属

主要3Dモデルサイトのライセンス比較

サイト無料モデル商用利用クレジット表示改変注意点
Sketchfab◎(一部有料)CCライセンスによるCC-BYは必須CC-NDは不可ライセンスはモデルごとに異なる
TurboSquid△(限定)◎ 商用可(Royalty Free)不要条件付き可再配布・転売は禁止
Poly Pizza◎(CC-BY)必須Google Poly後継、軽量ローポリ中心
CGTrader◎(Royalty Free)不要条件付き可Editorial Licenseは商用不可
Free3D△(要確認)モデルによるモデルによるライセンス記載がないモデルは要問い合わせ
Mixamo(Adobe)不要Adobeアカウント必要・キャラクターAR向け

クリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンスの読み方

Sketchfabなどで多く使われるCCライセンスの略称と意味を覚えておくと便利です。

  • CC0: パブリックドメイン。商用・改変・クレジット表示不要で完全自由
  • CC-BY: クレジット表示さえすれば商用・改変OK
  • CC-BY-SA: クレジット表示+同一条件での再配布が必要
  • CC-BY-NC: 非商用のみ。商用WebARには使用不可
  • CC-BY-ND: 改変不可。スケール変更・テクスチャ修正もグレーゾーン
  • CC-BY-NC-SA: 非商用かつ同一条件での再配布のみ

音楽・BGMの権利処理

WebARに音楽を使用する場合、著作権(JASRAC管理楽曲か否か)と著作隣接権(使用音源の制作者)の両方を確認する必要があります。最もトラブルが少ないのは著作権フリー音楽サービスの利用です。

サービス無料商用利用特徴
Pixabay MusicCC0ライセンス・クレジット不要
FreesoundCCライセンスによる効果音も豊富
Artlist×(年額$199〜)映像・Web商用利用に強い
Epidemic Sound×(月額$15〜)YouTube・SNS対応、WebAR利用可
BGMer◎(国産)日本語サポート・商用無料

WebARツール利用規約の確認ポイント

8th Wall・Zappar・STYLYなどのWebARプラットフォームを使用する際も、利用規約の確認が必要です。特に以下のポイントをチェックしてください。

  • 商用利用可否: 無料プランが商用不可の場合は有料プランが必要
  • ホワイトラベル対応: ツールのロゴ・クレジットを非表示にできるか(クライアント案件では重要)
  • コンテンツの所有権: プラットフォーム上で作成したコンテンツの著作権が制作者とツール会社のどちらに帰属するか
  • データの利用: ユーザーの閲覧データがプラットフォーム側のマーケティングに使用されるか否か
  • サービス終了リスク: プラットフォーム閉鎖時のデータエクスポート可否

商用利用OKの素材サイト一覧

迷ったときに使える、商用WebARコンテンツに安全に利用できる素材サイトをまとめます。

  • 3Dモデル: Poly Pizza(CC-BY)、TurboSquid Free(Royalty Free)、Mixamo(Adobe会員)
  • テクスチャ・画像: Unsplash(商用無料)、Pexels(商用無料)、Textures.com(プラン要確認)
  • 音楽・効果音: Pixabay Music(CC0)、BGMer(商用無料)
  • フォント: Google Fonts(OFLライセンス・商用可)、M+フォント(日本語・商用可)

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